1. はじめに

翻訳の勉強法

2021年3月20日に約30年間勤めた会社を早期退職し、その翌月、最初の翻訳案件が入った日を開業日としてフリーランス翻訳者となりました。IT分野と医薬・医療機器分野の翻訳を主軸として、現時点で専業翻訳者歴は約1年と数カ月です。

在職中は一貫して金融分野のシステムエンジニアとして従事してきました。海外ベンダーや海外の開発者とのやり取りで英語を使うことも多かったため、英語の読み書き、ヒアリング、スピーキングは実戦で磨きましたが、NHKラジオ講座など、一般的な英語の勉強も継続して取り組んできました。また、米国駐在中に自分が日本の文化について無知なことにショックを受け、帰国後、勉強がてら通訳案内士の資格も取得しました。

仕事の役割としてプロジェクトマネジメントを行っていたため、仕事の延長線で何冊かプロマネ分野の書籍翻訳(共訳)に関わっています。また公認情報システム監査人(CISA)の資格認定で知られるISACA(Information Systems Audit and Control Association)の東京支部で翻訳担当理事を務めていた時期もあり、その時には年1回発行されるCISA Review Manualの翻訳プロジェクトにプロマネ兼翻訳者として翻訳者メンバー募集から出来上った訳のとりまとめまで行った経験も有ります。このように、IT分野の翻訳については、実務的な専門知識にあぐらをかいて、体系的な翻訳の勉強はしたことがなくすべて実戦がベースになっています。

もう1つ私の翻訳分野として医薬・医療機器分野があります。これは仕事とは全く関係がなく、白紙状態から始めたものです。今回、翻訳者になるまでのメディカル翻訳の勉強法について書いていきますが、本来、勉強法というのはその道で実力のある方が書いてこそありがたみがあるのだとは思います。ただ、翻訳者として独立してからまだ間もないですが、役職定年前に独立することを目指して10年ほど前から医薬・医療機器分野の翻訳の勉強を細く長く続けてきました。言葉は常に変化しているため、この先何年後かに勉強内容を書いても、状況が変わって全く参考にならなかったり、情報自体が陳腐化されていたりする可能性は高いと思います。また、翻訳者として多忙になったり、ある程度の経験を積んだりすると書けない、もしくは書く気持ちが失せてしまうかもしれません。これまでやってきたことを総括して次に進む気持ちで整理することにしました。

勉強と実際の仕事は別物だという方もいますが、それは当然のことです。実際に案件を受託できるならば、実戦で腕を磨きながら勉強するのが一番だと思います。私のように在職中に副業はできないけれどスキルを身に着けたい人や、未経験から参入するので案件をとることが難しいような方は、この記事の中に1つでも参考になるものがあれば幸いです。いずれにせよ、根拠のない情報にあおられて近道があると勘違いせずに、地道な努力を馬鹿にせずにやるしかないと思います。

ネットの情報や資料については、サイトリニューアルのタイミングで対象のコンテンツがなくなったり、サイト自体がなくなったりすることがあります。そんなことが起きても困らないように、必要なものは自分の資産としてまとめておくことをお勧めします。例えば、テキスト化されていないものはテキスト化しておけば後々検索する際に、かなり時間を節約できます。量にもよりますが、できるだけテキスト化してローカルファイルとしてまとめておくことをお勧めします。

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