1.数字の表記
技術文書ではアラビア数字を使用するが、以下の(1)から(5)については例外としてスペルアウトする。
(1) 文、タイトル、サブタイトル、または見出しの先頭
先頭はスペルアウトするが、できれば数字から始まらないように文を書き換えた方が良い。
Acceptable: Two hundred twenty-eight men and 100 women were included in the study.
Better: The study population comprised 228 men and 100 women.
Acceptable: 2018 marked the 90th anniversary of the discovery of penicillin.
Better: The year 2018 marked the 90th anniversary of the discovery of penicillin.
(2) 分数
分数には以下の2種類がある。
・common fraction (常分数:分子および分母がいずれも整数である分数)
⇒”one-fourth”のようにハイフンでつないでスペルアウトする。
・mixed fraction (帯分数:整数と分数を組み合わせたもの)
⇒数字で表記する。
(3) 代名詞として使用される慣用表現や数字
⇒one day、tens of thousands of ~、one of the ~ など
⇒The investigators compared a new laboratory method with the standard one.
(4) 1から9までの序数
⇒The second patient was not available for reevaluation.
⇒He celebrated his 70th birthday while in the hospital.
(5) 引用または出版物のタイトルにある数字
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★4桁以上の数字
① 数字にコンマは使わない。
⇒ e.g. 2007
② 4桁の数字は間を開けない。
⇒ e.g. 2007
③ 1万以上の数字は3桁ごとに”thin space”を入れる。
⇒ e.g. 12 007
④ 小数点以下が5桁以上の数字は小数点以下の部分に3桁ごとに”thin space”を入れる。
⇒ e.g. 123.123 45
⑤ 小数点以下が4桁以下の数字は小数点以下の部分に”thin space”は入れない。
⇒ e.g. 123.1234
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★時間の表記
・アラビア数字で記載する。
・Conventional form for time and dates
⇒11:30 PM on February 10, 1969
・AM、PMを付ける場合はスモールキャピタル文字とする。
・時間(分と秒は無し)だけを記載する場合は時間部分のみを記載する。
⇒3 PM
・”12 o’clock” の場合は、”noon” または “midnight” のどちらか当てはまる方を使う。
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★温度の表記
・温度の記号と共に表記する。
温度と温度記号の間にはスペースを入れる。
※10版まではスペースを入れないが、11版からはスペースを入れるように変更された。
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★通貨の表記
・通貨の記号を付ける。
⇒$39.60、€20 など。
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★数字のスペルアウト
・21以上、99以下の数字を単体で表記する場合はハイフンを付けてスペルアウトする。
⇒twenty-one、ninety-nine
・100以上の数字をスペルアウトする場合はコンマを付けない
⇒one hundred thirty-two
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★数字とスペルアウトの混在
■丸めた大きな数字
⇒The disease affects 5 million to 6 million people.
(“million”は曖昧さをなくすために繰り返す)
■数字が連続する場合
明確にするために片方をスペルアウトする。
⇒Study participants were provided twenty 5-mL syringes.
以下のAMA Manual の例では、10版で迷走した感があるが、11版の書き方にした方が良い。
[11版]
Avoid: In the cohort of 1500, 690 were men.
Better: In the cohort of 1500 individuals, 690 were men.
Or: In the cohort, 690 of the 1500 individuals were men.
[10版]
Avoid: In the cohort of 1500, 690 were men.
Better: In the cohort of fifteen hundred, 690 were men.
Or: In the cohort, 690 of the 1500 individuals were men.
[9版]
In the cohort of fifteen hundred, 690 were men.
Better: In the cohort, 690 of the 1500 subjects were men.
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★期間で数字をハイフンでつなぐ場合
本文で期間が義されている場合はハイフンでつないで表記してよい。もし、定義されていない場合は、その数字を含むか含めないかが曖昧になるので、使ってはいけない。
しかし、学年や会計年度の場合は明確なため、初出でもハイフンでつないだ表記でよい。
⇒The students participated in the study during the 2020-2021 academic year.
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2.割合およびパーセンテージの表記
・可能な限り、実際の分子 (n) と分母 (d) を一緒に書くこと。
本文では、分子と分母は、”n/d” ではなく “n of d” として表す。
Death occurred in 6 of 200 patients.
Not: Death occurred in 6/200 patients.
・明確にするために、分子と分母および割合やパーセンテージを表記する場合、分子と分母の間に挿入しないこと。
[OK] Death occurred in 6 of 200 patients (3%).
[OK] Death occurred in 3% (6 of 200) of patients.
[OK] Of the 200 patients, death occurred in 6 (3%).
[OK] Of the 200 patients, 6 (3%) died.
[NG] Death occurred in 6 (3%) of 200 patients.
※9版では、以下のように分子の後ろに書くようにとされていた。今はやらないこと!
⇒Death occurred in 3 (1%) of the 300 patients.
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3.率および比の表記
・括弧の中では”n/d”という表記をしてもよい。
⇒ (1/2)
・比の場合はコロンを使用する。
⇒ (1:2)
・分母が100の場合は記述しなくてもよいが、それ以外は明記する。
⇒Of all individuals exposed, children were affected at a rate of 0.05.
⇒The infant mortality rate was 3 per 10000 live births.
Not: The infant mortality rate was 3/10000 live births.
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~~~ AMA Manualの記載情報 ~~~
以下の章を参照。
■AMA Manual 9版
[章] 16.1 USE OF NUMERALS
[ページ] P.511
■AMA Manual 10版
[章] 19 Numbers and Percentagess.
[ページ] P.821
■AMA Manual 11版
[章] 18.0 Numbers and Percentages
[ページ] P.961
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