“gender” と “sex” に関する記述は9版から存在するが、版数を重ねるごとに記述が倍増している。確かにトピックとして重要性は大きくなっていると思う。
『薬事・申請における英文メディカル・ライティング入門 Ⅲ』には、生物学的な「性別」には “sex” を使用し、後天的、文化的な意味での「性別」には “gender” を使用すると書かれている。非臨床・臨床試験関連の文書で扱う「性別」は生物学的な性別がほとんどであるため、通常は “sex” を使用するということ。これは AMA Manual 10th をベースにしている。
11版で追加された記述は以下の通り。
■”gender” と “sex” は互換的に使える用語ではない。
■参加者の “gender” と “sex” をどのように評価したのかを明確にすること。(例:self-report、investigator observed、metadata in a database)
■生物医学雑誌 (biomedical publication)では、”sex” を表す言葉として、”gender” を使うケースもある。その理由としては、参加者全員に遺伝子検査を行うことは不可能であり、self-reportの場合に、少数ではあるが生物学的に46, XX (女性)または46, XY (男性)ではないことがあるためとのこと。
■”transgender” や “cisgender” についての説明
Transgender: “sex” と異なる “gender” を自認している場合 (a person whose gender identity differs from the sex the person had or was identified as having at birth.)
Cisgender: “sex” と同じ “gender” を自認している場合 (a person whose gender identity corresponds with the sex the person had or was identified as having at birth.)
■”trans” を使う場合の注意。
“trans” を使う場合は、名詞ではなく形容詞として使うこと。
[avoid] transman, transwoman
[preferred] transgender man, transgender woman
~~~ AMA Manualの記載情報 ~~~
以下の章を参照。
■AMA Manual 9版
[章] 9.1 COMMONLY MISUSED WORDS AND PHRASES.
[ページ] P.253
■AMA Manual 10版
[章] 11.1 Correct and Preferred Usage of Common Words and Phrases.
[ページ] P.395
■AMA Manual 11版
[章] 11.1 Correct and Preferred Usage of Common Words and Phrases.
[ページ] P.521
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