範囲を表現する場合、from XXX to YYY をよく使うと思う。
でも、到達点である YYY を含んでいるかどうかを意識しているだろうか?
例えば、”dose range from 100 to 200 mg” という表現の場合、200 mg は含まれるだろうか?
厳密に言えば、”to” は到達点を含まないため、200 mg は含まれない。
ただし、これは曖昧になっていることが多い。
「薬事・申請における英文メディカル・ライティング入門 II」によると、到達点を明確に含める場合は、以下のいずれかの方法で表現するとのこと。
① “to” とともに “inclusive” を付ける。
dose range from 100 to 200 mg inclusive
もちろん、exclusiveを付ければ到達点を含めないことを明確にできる。
② 到達点を含む意味を持つ “through” を使う。
dose range from 100 through 200 mg
③ 到達点を含む意味を持つ “between” を使う。
dose range between 100 and 200 mg
使用される頻度で言うと③、②、①の順番らしい。
では、AMA manualにはどのように書かれているだろうか?
“to” を使うのは、到達点を含めない場合に限られており、到達点を含める場合は “through” を使用するとのこと。(“between” については記述がない。)
ただし、生存期間 (life span)、歴史の期間 (historical periods)、会計年度や学年 (fiscal or academic year)、ページ (page numbers in text)、年齢の範囲 (age ranges)を示す場合で、含む含まないが明確な状況であれば “to” を使ってもよいとのこと。
■The participants ranged in age from 23 to 56 years.
この場合、56歳は基本的に含まれないのだろうが、状況的に含まれることが明らかであれば含まれるということだろう。
■The second enrollment period spanned January 30, 1991, to September 1, 1993.
Or: The second enrollment period spanned January 31, 1991, through August 31, 1993.
※この場合、個人的には下の方の書き方が良いと思う。
■We looked at the following 3 periods; 1964 through 1967, 1968 through 1978, and 1979 through 1992.
この場合は到達点が含まれるということ。
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その他、以下の場合にも範囲を表すために “to” を使用する。
□ 括弧や表の中で既に明確になっている範囲を示す場合にハイフンを使用してもよいが、マイナスサインが入る場合は “to” を使用する。
The mean number of years of life gained was 1.7 (95% confidence interval,1.3–2.1).
The mean number of years of disease-free life gained was 0.4 (95% confidence interval,—0.1 to 0.9).
□ 括弧の中で単位が異なる範囲を表す場合も”to” を使用する。
Because of the wide range of measurements (2 mg to 5 kg), ~~~.
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~~~ AMA Manualの記載情報 ~~~
以下の章を参照。
■AMA Manual 9版
[章] 16.4 Use of Digit Spans and Hyphens.
[ページ] P.515
■AMA Manual 10版
[章] 19.4 Use of Digit Spans and Hyphens.
[ページ] P.827
■AMA Manual 11版
[章] 18.4 Use of Digit Spans and Hyphens.
[ページ] P.968
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