2024/1/11の1番目のアブストラクト 「ROS1 融合遺伝子陽性非小細胞肺癌に対するレポトレクチニブ」 から。
このアブストラクトで “dizziness” という言葉が出てくる。
和訳では 「浮動性めまい」。
[原文]
A total of 426 patients received the phase 2 dose; the most common treatment-related adverse events were dizziness (in 58% of the patients), dysgeusia (in 50%), and paresthesia (in 30%), and 3% discontinued repotrectinib owing to treatment-related adverse events.
[和訳]
第 2 相用量の投与を受けた 426 例において,とくに頻度の高かった治療関連有害事象は,浮動性めまい(患者の 58%),味覚異常(50%),感覚異常(30%)であり,3%が治療関連有害事象のためにレポトレクチニブを中止した.
“dizziness” の和訳や「めまい」の英訳に迷うことはないだろうか?
MedDRAだと参照できない人もいるので、誰でも参照できるサイトとして、以下の「有害事象共通用語規準 v5.0 日本語訳 JCOG 版」を見てみる。
Common Terminology Criteria for Adverse Events (CTCAE) Version5.0
日本語訳が「めまい」を含むものは以下の通り。
CTCAE v5.0 Term | CTCAE v5.0 Term 日本語 | CTCAE v5.0 AE Term Definition 日本語 【定義】 |
Dizziness | 浮動性めまい | 浮遊感、ふらつき、目のくらみ、回転する感覚、揺れる感覚などの症状 |
Vertigo | 回転性めまい | 本人の周囲がぐるぐる回っているような感覚(客観的めまい)、または本人が空中で回っているような感覚(主観的めまい) |
過去のNEJMのアブストラクトを見てみると、dizzinessに対する訳としては「めまい」、「浮動性めまい」の両方があるが、最近は「浮動性めまい」の方が使われている。
他に参考になりそうな手持ち資料なども調べてみた。
■ある英語教材①
「めまい、ふらつき」⇒ vertigo or dizziness
「頭部ふらつき感」⇒ Light-headed feeling
「立ちくらみ」⇒ postural dizziness (dizziness on standing upも可)
■ある英語教材②
「MedDRAでは、diziness は浮動性めまい、faintness は浮動性めまい感」と解説したうえで、”dizziness, faintness” を 「めまい、くらくら感」 と訳している。
■ライフサイエンス辞書
dizziness⇒ (病名) 眩暈, 眩暈症, 浮動性めまい, (動揺性) めまい, めまい感
faintness⇒ 失神型めまい, 浮動性めまい感
これらを参考にケースバイケースで考えよう。
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