因果関係の表現

ニューイングランド師匠

因果関係の表現は、いつも「あ~、どうだったっけ」と思い出すのに時間がかかるので、記事にしてみた。

治験薬との因果関係は研究者やメーカーによって表現が少しずつ違う。こう訳さなければ間違いという決まりはないようである。

以下のPMDAのサイトの情報のように、表現も違えば、有害事象(副作用)に分類する基準も違いがある。

その1
■関連性が否定できない有害事象(副作用)
  たぶん関連あり(probable)
  関連ないともいえない(possible)
■関連性が否定できる有害事象
  たぶん関連なし(probably not)
  関連なし(not related)

その2
■関連性が否定できない有害事象(副作用)
  関連あり(highly probable)
  たぶん関連あり(probable)
  関連ないともいえない(possible)
■関連性が否定できる有害事象
  たぶん関連なし(unlikely)
  関連なし(none)

その3
■関連性が否定できない有害事象(副作用)
  たぶん関連あり(probable)
  関連ないともいえない(possible)
  たぶん関連なし(probably not)
■関連性が否定できる有害事象
  関連なし(not related)

https://www.pmda.go.jp/drugs/2004/P200400001/10015900_21600AMY00007_X111_1.pdf

①明らかに関連あり (definitely related)
②多分関連あり (probably related)
③関連ないともいえない (possibly related)
④多分関連なし (probably not related)
⑤関連なし (unrelated)

①~③と判定された有害事象を「副作用」とした(因果関係が評価不能又は不明と判断された場合は副作用とすることとした.

https://www.pmda.go.jp/drugs/2021/P20210113006/180188000_30300AMX00003_K102_1.pdf

①明らかに関連あり (Definite)
②多分関連あり (Probable)
③関連性があるかもしれない (Possible)
④多分関連なし (Not likely)
⑤関連なし (Not Related)

①~③と判定された有害事象を治験薬との関連性が否定できない有害事象(副作用)とした。

https://www.pmda.go.jp/drugs/2020/P20200914002/180078000_22700AMX00644_K103_1.pdf

New England Journal of Medicineでは上記のような因果関係の表現はあまり見かけない。

例えば、probableは以下のような表現でよく使われる。

2021/12/2_(3)

Of the remaining 283 cases, 142 occurred after receipt of the BNT162b2 vaccine; of these cases, 136 diagnoses were definitive or probable.

残りの 283 例のうち,BNT162b2 ワクチン接種後に発症したのは 142 例で,そのうち確定例またはほぼ確実例に分類されたのは 136 例であった.

https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/nejmoa2109730
https://www.nejm.jp/abstract/vol385.p2140

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